MUSINA
COLUMN

「ロックは死んだ」と言われるたびに、反論したくなる理由

Y

YUM

2026.05.28 Update

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「ロックは死んだ」

この言葉を聞くたびに、黙っていられなくなる。

誰かがそう言うのを聞くと、喉の奥から何かがせり上がってくる感じがする。
反論したい。でも、うまく言葉にならなくて、結局「そうかな……」とごまかしてしまうことが多かった。

今日はその「うまく言葉にならなかったこと」を、ちゃんと書いてみようと思う。

「ロックは死んだ」と言う人たちの言いたいことは、なんとなくわかる。
チャートの上位にロックバンドがいない。
フェスのヘッドライナーはポップスやヒップホップが多い。
新しい「ロックスター」が出てこない。
そういうことを言いたいんだと思う。

でも、それって「ロックが死んだ」じゃなくて「ロックがチャートから消えた」ってことじゃないのか。

チャートに入らない音楽は死んでいるのか。
そんなわけない。

つい先月、私はライブハウスに行った。
キャパ200人くらいの小さな会場で、知らないバンドが演奏していた。
最前列の子たちが、もみくちゃになりながら笑っていた。
汗と歓声と、ギターの歪みが混ざった空気の中で、確かに何かが生きていた。
あれが死んでいるとは、どうしても思えない。

ロックが「死んだ」と言われるのは、たぶん何度目かだ。
70年代にも言われた。90年代のグランジが終わったときも言われた。
その度にロックは別の形で生き返ってきた。
The Strokesが出てきたとき、Arctic Monkeysが出てきたとき、羊文学が日本のインディーシーンを更新したとき。

「ロックは死んだ」と言う人たちは、たぶん「自分が知っているロック」が消えたことを言っているんだと思う。
それは正直な感覚だと思う。
でもそれは、ロックが死んだことじゃなくて、ロックが変わったってことだ。

私がロックを好きな理由は、ジャンルとしての「ロック」というより、あの「誰かが何かに抗っている感じ」だと思っている。
それはギターがあろうとなかろうと、チャートに入ろうと入るまいと、関係ない。

音や言葉にそれを感じるし、形は変わっても、あの感じは死んでいない。

だから私は、これからも「ロックは死んだ」と言われるたびに、黙っていられないと思う。
うまく反論できなくても、せめて黙らないでいたい。

— YUM