COLUMN
推しの曲を誰かに勧めるとき、いつも少し緊張する
好きな曲を誰かに勧めるとき、いつも少し緊張する。
LINEで「これ聴いてみて」と送る直前、一瞬だけ躊躇する。
相手がどんな顔をするか、わからないから。
「いいね」と返ってきたらうれしい。
でも「あんまり好みじゃなかった」と言われたら──ちょっと怖くなる。
K-POP担当ライターとして、私は音楽を人に紹介することを仕事にしている。
記事の中で「これを聴いてほしい」と書くのは怖くない。
でも個人的に、特定の誰かに「この曲が好きだから聴いてほしい」と送るのは、今でも少し緊張する。
たぶん、好きな音楽を共有するのは、少し自分を開示することに似ているからだと思う。
「私はこういうものが好きです」という告白に近い。
だから、相手の反応が気になる。
以前、K-POPを全く聴かない友人に、好きなアーティストの曲を送ったことがある。
しばらくして「なんか、良かった」と返ってきた。
それだけだった。でもすごくうれしかった。
「なんか、良かった」という言葉の曖昧さが、逆に良かったのかもしれない。
熱狂しなくていい。
ただ、「あなたが好きなものを、少し聴いてみた」という事実だけで、何かが繋がった気がした。
音楽を誰かに勧めることは、相手の時間をもらうことだ。
だから緊張する。
でも、その緊張は悪くないと最近思っている。
好きなものを「好き」と言える関係が、少しずつ育っていく感じがするから。
MUSINAで記事を書いていると、「この記事で誰かが新しい音楽を好きになってくれたらいいな」といつも思う。
あの、友人に曲を送るときの緊張と、たぶん同じ気持ちだ。
— ハナ・チェ